kochangだったりする!

自分の興味範囲だけ

【金沢】僕らはさっさと死ぬけど、後は任せたよ

お盆の時期に大型連休なのにどこも行けず、甲子園の試合経過を眺めるのは納得行かない。
夏の太陽は怖い、体中の水分を乾かし切るぐらいの勢いだ。
そんな太陽がサンサンと照らすくせに何処かに行きたい欲求は湧き出てくる。
自転車に乗って、三宮の先の和田岬と呼ばれる場所に思い立って行ったが
なんてことはない、隣の県に遊びにいっただけ。
別に大型連休じゃなくても行ける距離だった。
和田岬でかき氷を食べながら「あかんな、日帰りでもいいから遠くに行きたい」と思考していた
夏は折り返し地点を通過した。


夏も終わろうとしていた頃、金沢21世紀美術館にて「死なない命」の展示内容を目を通す。
あ、これだな、行くか。
最初の概要を読んだ時点で行くことを決めていた。
大体旅行は直感で決める。
次の瞬間には妻をどう説得して皆でワイワイガヤガヤと旅に出るかと考えていた。

わがままに付き合ってくれる妻にはいつも感謝したりない。
家族で行けばいいのに、みんなでワイワイガヤガヤ
息子も娘も大きくなったらこんな父親をどう思うか。
けど、お父さんの周りは素敵な人が一杯だよとは伝えている。
今回もそう、みんなを巻き込んで日帰り旅行を計画した。

夏の暑さも落ち着き秋の音が聞こえてくる頃、息子の運動会があった。
あいにくの天気になりそうな日に決行されて、雨も降るのか降らないのか分からない
競技が進行するごとに雲は悪くなる。
今回の運動会、最終競技という事で大人のリレーというか、協力してゴールに向かうリレーがあった
そこで、おもいっきり引っ張られてしまいコケてしまう。

そこからが記憶なくて、気がついたら救急車の中だった。
鎖骨の脱臼。
肩ではなく、鎖骨。めったに脱臼しない箇所とのこと。
手術をするorグギっと収める。

手術をすると治療に時間はかかるが、前の状態に近くなる。
グギッと収めると、脱臼癖が発生やらリュックも背負えない。

考えて?と医者に言われる。

考えると言われても、決定権はこちらにあるのは理解してる、けど、右肩はそれでも痛みが続き記憶が薄れていく。
手は動く、字は書ける

次に頭に浮かんだのは子供で
この子たちをまだまだ背負わないといけないのに、リュックも背負えなくなるのは大変だ
ほぼ答えは出た、キッカケは子供だった。

 

入院、手術

しばらくすると看護師がお迎えにきて病室に案内された。

見知らぬ建物を歩きながら思い出したことは「あれ?金沢行けるのか???」だった

入院、手術、退院、職場復帰
右腕は本当に動かなく、けど辛うじて手だけは動いてた。落ちているペンを伸ばして取れない。
パソコンの入力に問題はないけど
本当に異物感が凄くて、痛みも凄くて
全てが凄く痛くて、この文字を打っているこの瞬間も痛い。
凄く痛い。グギッと収めた方が良かったのでは?と決断に迷うぐらい。

 

リハビリは過去の記事でも紹介したリロコーヒーの上にある施設だった。

この建物には縁があるなとふと思う。リハビリが始まる。

担当して頂くリハビリの先生と顔を合わせ、開口一番
金沢にドライブする約束があるのですが、、、12月ぐらい、、、

え?

僕が運転するんです。

ええ?

、、、

が、頑張りましょうか。

はい、、、

 

この事故で日頃使っていた筋肉も断裂していたので再建リハビリを兼ねていた。

日頃使っていた筋肉を再建する

言葉にしても実感が湧かなかった。


努力というのはこういう所で発揮するものではない
試験資格受験で努力するべきなのに体育会系の脳みそ・思考からなのかリハビリは順調であった。
同時に金沢へのルートも決まり、ワイワイガヤガヤに付き合ってくれる友人も集まりだし、当日を迎えた。

深夜の出発はドキドキする。
周りが暗く、空気が日中より低くツンッとして、心地よい緊張感に包まれる。
その空気を鋭い槍のスピードで車が駆け抜け、その光は金沢へ向かっていた。

早朝の金沢に到着。朝ごはんを頂く。
海鮮丼をたらふく頂く。
子供らも満足して金沢21世紀美術館

現地でも合流した人もいてなんだか申し訳ない。
けど会えて良かったよ、と開館までの時間をのんびりと過ごす。
目に見えるのはレアンドロのプール、早く近くでみたいねって娘と話す。

開館前のこのやりとりって、なんだか大阪の美術館ではなかったなぁと
関西の美術館か、、、

こう扉の向こうにはワクワクが待っているんだという、仕掛けがこの美術館には潜んでいる。

時間とともに劣化するやくしまるえつこの作品。
あの時の星空から流れていく歴史
時を超えてきた新しい花
外に出ることが許されない薔薇
崩壊後の世界を映す翼

遺伝子の組み換え?操作?
口に入れる食べ物を考えたら、そんなの言えるの?
ある程度人間の手を加えたものを摂取することが、当たり前で
天然とか自然とか言われても、ある意味で怖さを感じる。

子供には難しいのかしら?と横目で見るとキラキラした視点
あぁ、この子は新しい世界が好きなんだねと、お父さんは嬉しくなっちゃうよ。

作品の評価、展示の評価は他に託し、人間のエゴと改めて向き合い
丁寧に構成された展示でした。

 

学芸員の髙橋様、お忙しいお時間を割いて頂きありがとうございます。
なお、今現在も腕は治ってません。

www.kanazawa21.jp